
日本人成人の9割程度が歯周病にかかっていると歯科疾患実態調査では報告されています。
歯周病(歯槽のう漏)とは歯自体の病気ではなく、歯を支えている周囲の骨が溶けていくことにより最終的に歯がグラグラになり最終的に抜けていく病気です。
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健康な歯茎

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骨を溶かす主な原因はプラーク(歯垢)の中にいる細菌です。プラーク中にはむし歯菌や歯周病菌が、1mg中になんと1億個以上いるといわれています。この中の歯周病菌は歯磨きを怠ったり、砂糖を取りすぎたりしますと、歯周ポケット内で異常に増殖し、それらが産出する毒素や酵素によって歯周組織に炎症をおこし、歯槽骨をとかす歯周病へと進行していきます。細菌にはいくつもの種類があり 歯周病が悪化すると毒性の強い細菌が歯茎の中(歯周ポケット)に数多く生息するようになります。
治療の考え方としては、歯を支える周囲の組織に生息する毒性の強い細菌を少ない環境に維持することです。
その細菌による病気の進行に拍車をかけるのは歯にかかる悪い力(噛み合わせ)や悪習癖、タバコなどの生活習慣、糖尿病(歯周病を悪化させる)などの全身疾患、様々な心理的なストレスによる免疫力の低下です。
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①歯を磨くと歯ぐきから血がでる。
②歯ぐきから膿がでたり腫れたりする。
③歯ぐきがむずがゆい感じがしたり、、痛むことがある。
④歯がグラグラと動く感じがする。
⑤硬いものが噛めなくなってきた。
⑥口臭が気になる。 |
重症化してしまった歯周病は驚くべき速度で進行し歯を失います。
健康な方のレントゲン写真
健康な方は歯根は骨の中にしっかり埋まっています。

下の写真は歯周病を指摘したが症状が軽かったためその後来院されず

5年半後ぐらぐらになってから来院された症例です。
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①
②
③
④
⑤
⑥
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細菌のコントロール ・・・ プラークコントロール(歯ブラシ指導の徹底)
汚れの付着しやすく、磨きにくくさせている詰め物や被せものの修復
悪い細菌の生息場所であるポケットの除去 ・・・ ポケットを浅くするための治療(→初期治療、→歯周外科処置)
歯にかかる悪い力(噛み合わせ)の治療 ・・・ 咬合調整、動く歯の固定、歯ぎしり等悪習癖に対する処置
タバコなどの生活習慣の改善、糖尿病などの治療。
定期的なメインテナンスにより良い口腔環境の維持により成功へと導かれます。
歯周病により骨が溶けてしまった場合二度ともとには戻りません。大切なことは早期に発見し今後その骨の吸収を抑えることです。
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①審査、カウンセリング
・問診・・・歯周病、虫歯、歯並び、過去の治療による被せ物、全身疾患など、気になることを伺います。
・簡単な口腔審査・・・口腔内のチェック。口腔内の細菌の状態を顕微鏡で確認。レントゲン写真(場合によってはCT)や口腔清掃状態 かみ合わせの状態 問題のある被せ物等を把握し、なかなか目で見ることのできない部分はカメラやCCD等で撮影し患者さんに時間をかけて(1時間程度)説明します。
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②各種 基本検査 精密検査
歯周ポケットの深さ、出血の有無や歯のぐらつき、プラークや歯石の付着状況などを1本ずつ検査し、歯周チャートに記録します。
デンタル10にてデーターの管理を行い そのデータは患者さんにも提供し 来院時は歯ブラシと共にできるだけ持参してもらう。それをもとに今後理想とする治療方針を提示し 相談の上治療を進めていく。

デンタルX |
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③初期治療
歯茎の上に直接見える歯石(歯肉縁上歯石)を除去しブラッシングを徹底するだけで軽度の歯周病は改善しますが、それ以上進行しているものは次の段階に進みます。
ある程度進行したものは麻酔をしたうえで歯肉の中に隠れている歯石(歯肉縁下歯石)と歯肉の中の悪影響を及ぼすものを掻把して取り除いていきます。その際には1歯1歯時間をかけ丁寧に清掃するため1度の来院に多くても4~6本程度しか清掃できません。 |
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④再検査
初期治療の成果の確認のため再度検査を行い。ポケットの値が3mm程度以下まで改善されれば治癒とみなし咬合や被せものの治療に移ります。 |
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⑤歯周外科処置
歯茎を開き直視下で歯茎の中の処置(場合により骨の整形や再生、歯根の形態の修正、歯茎の質の改善)を行うもの。(抜歯程度の局所麻酔下で30分~1時間半程度、術後強い痛みもあまり出ません) |
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⑥メインテナンス
治療後も各個人に合った定期検診プログラムにより歯周病が再発しないようブラッシング状態の確認を行い、新たについた歯石の除去 古くなってこびり付いた歯垢やバイオフィルムの除去(PMTC)を行い 歯周病の再発や虫歯を早期発見することで、患者様の歯をいつまでも美しく健康な状態に維持できるよう、お手伝いをいたします。 |
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メインテナンスの重要性
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私が患者さんに最も口を酸っぱくして言っているのは管理をしなければすべてが無駄になる恐れがあるということです。一般的に歯科治療は終了したら終わりですが、歯周病に関しては再発と隣り合わせです。たとえば糖尿病を例に挙げると食事制限や生活改善で血糖値が安定し治癒したように見えてもまた以前と同じ生活に戻れば また再発してしまうのと一緒です。歯周病の治療は口腔内の生活習慣の改善が必要で同時にメインテナンスは欠かせません。 |
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